ニキビケアの注意点|薬用基礎化粧品は効果なし

はじめに

この記事は、本WEBサイトの監修者が執筆しています。

このところ、思春期から20第後半にかけての方々からのニキビに関するカウンセリングのご依頼が急増しています。

「ニキビをスキンケアだけで何とかしたい!」「皮膚科には通いたくない!!」と決め打ちでのカウンセリングをご希望されるご相談者の方に対しては、よほど医療機関に嫌な思い出があるのでしょうから、もちろんご要望に沿った内容のカウンセリングをしています。

しかし、個人としての見解を問われれば、私は「ニキビでお悩みなら、何よりも先ず皮膚科クリニックを受診してください」とお答えするようにしています。

ニキビの市販薬はほとんど効かない

ニキビ用の医薬品(医薬部外品を含む)や薬用基礎化粧品はたくさんあります。ドラッグストアに立ち寄っても、ネットで検索しても、選ぶのに困ってしまうくらい様々な商品が溢れてします。しかし、これらがニキビに効くか?というと、その効果は皮膚科クリニックで処方される外用薬や内服薬とは比較になりません。

当たり前ですが、市販薬よりも皮膚科クリニックの処方薬の方が、ニキビ治療に断然効果的です。

ニキビ治療において、市販薬の医薬品は非常に軽度のニキビ症状を対象としているものですし、薬用基礎化粧品を用いるスキンケアもあくまで補助的役割しかないと断言できます。

推奨は「皮膚科ありき」のニキビケア

私が推奨するニキビケアは、皮膚科クリニックで適切な外用薬・内服薬を処方してもらい、処方薬による対処療法で症状を火消ししながら、同時に、スキンケアと生活習慣を工夫することでニキビ原因を根治する治療方法です。

しかし、これまで7000症例以上カウンセリングしてきて残念に感じることは、せっかく皮膚科クリニックを受診して処方箋を出してもらっていても、処方箋の内容とスキンケアの内容がマッチングしていないことが非常に多いということです。

皮膚科では症状に合わせて様々なニキビ用外用薬が処方されます。外用薬の種類によってニキビにアプローチするメカニズムが異なります。そして、補助的な役割を担うスキンケアは、外用薬の種類に合わせて適切に変更していくことが大切です。適切に変更できていないことによってニキビ症状が悪化してしまうことがあるからです。

例えば、ディフェリンゲル(アダパレン)という皮膚科クリニックで処方されるニキビの外用薬があります。ディフェリンゲルは、角質形成を抑えて角質厚化を改善し、ニキビの主原因である「毛穴の詰まり」を解消するというアプローチの薬で、ニキビ症状の改善に非常に効果的です。

しかし、「角質形成を抑える」ということは、角質層に由来する肌のバリア機能も低減されてしまいます。バリア機能が十分でない状態の肌は、外部からの刺激に弱く、内部からの水分蒸発により乾燥しやすい状態になります。それにも関わらず、脱脂力が強く、殺菌成分(刺激成分)満載の市販の薬用基礎化粧品を使ってしまうと、弱った肌に追い打ちをかけるようなもので、逆にニキビ症状が悪化してしまいかねません。

この事例のように、「皮膚科クリニックの処方薬と市販のニキビ薬・薬用基礎化粧品の組み合わせで最強!」などということはなく、処方薬(特に外用薬)の特徴と、ご自身の肌状態に合わせてスキンケアを都度変えていくことがニキビケアの「有るべき姿」です。

そもそも薬用基礎化粧品はお勧めしない

多くの場合、ニキビケア用の薬用基礎化粧品は、刺激性のある殺菌成分をたっぷりと含み、しかも皮脂を根こそぎ取り除いてしまうくらい脱脂力の強いものがほとんどです。これらは「ニキビ菌を殺菌して症状を治してしまおう」「ニキビ原因は毛穴に皮脂が詰まることなのだから、皮脂をしっかり取り除けば治るはず!」という考えに基づいて設計されており、理屈として間違っているわけではありません。

しかし、殺菌成分や強い脱脂成分は、肌に大きな負担をかけてしまいます。ニキビ肌の場合、ただでさえ肌が炎症で弱ってしまっている状態なのですから、肌負担を最小限にするスキンケアを工夫すべきです。弱った肌を強烈な薬用基礎化粧品を使ってさらに弱らせるというスキンケアは愚策であると私は思います。

処方薬とマイルドスキンケアの組み合わせこそ最良のニキビケア

皮膚科クリニックの処方薬を使用すること前提でニキビケアを考えるのであれば、スキンケアは可能な限りマイルドな方向にもっていくのが無難です。外用薬(例えば抗菌剤)だけでも十分にニキビ菌にアプローチできるため、薬用基礎化粧品の殺菌成分は不必要(というか場合によっては有害)というわけです。

ニキビでお悩みの方々や、思春期世代のお子様がいらっしゃる親御様は、参考になさってみてください。

ライター:中浜数理