飲む日焼け止め「ヘリオケア・シェードファクター」の効果と口コミ

はじめに

ヘリオケアやシェードファクターに代表される飲む日焼け止め・UVケアに関し、以前は一部の美容クリニックのみで提供されていましたが、最近では、通販やドラッグストアでも当たり前のようにされています。昨日も、著者のオフィスに「飲むUVケア」と称して、飲む日焼け止め関連商品のチラシが投函されておりました。

「飲む」日焼け止めは、「塗る」日焼け止めと比較してUVケア効果が非常に低いものです。

例えば、日本皮膚科学会が、SPF30以上の日焼け止めクリームを普段使いにすることを推奨しているのに対し、「飲む日焼け止め」の有効成分であるヘリオケアやシェードファクターのUVケア効果はSPF換算でせいぜい2程度です。

巷には、「飲むUVケア」や「飲む日焼け止め」を標榜するサプリメントや健康食品が溢れかえっており、「日焼け止めクリーム要らず!」のような煽り宣伝と偽装口コミで、効果をミスリードしている商品も散見されるため、この記事を通じて注意喚起します。

飲む日焼け止めの正しいUVケア方法

そもそもヘリオケアやシェードファクターは、それ単独でUVケアに用いるものではく、日焼け止めクリームとの併用による相乗効果・相補効果を期待する有効成分です。

このため、飲む日焼け止めは、日焼け止めクリームと併用して使用することがUVケア効果を得るための正しい使用方法です。そうであるにも関わらず、あたかも「日焼け止めクリームは必要ない」的な通販等マーケティング上の誇大広告によって効果の小さいスキンケアが流布され、口コミが賑い、購入に至っている実態を心配しています。

飲む日焼け止めの口コミ

飲む日焼け止めに関してSNSに投稿されている口コミをいくつか紹介します。スキンケアは「楽しむ」ことも大切であるため、その効果を真っ向から否定するものではりません。但し、肌と真剣に向き合う場合には、基礎化粧品の選び方やスキンケアの方法には、慎重にアプローチすることが大切です。

効果検証のために口コミを利用する場合にも、「効果あり」の肯定的な口コミと「効果なし」の否定的な口コミの両方を精査して、ご自身でしっかりと納得することが何よりも重要です。

飲む日焼け止めは「効果あり」の肯定的な口コミ

飲む日焼け止め「効果なし」の否定的な口コミ

ヘリオケアやシェードファクターに対するFDAの警告

フェーンブロック/ファーンブロックとニュートロックスサン

通販で購入できる商品も含め口コミを検証したところで、飲む日焼け止めの有効成分に関して科学的な検証を加えてみます。

飲む日焼け止めの有効成分として、「フェーンブロック(もしくはファーンブロック)」と「ニュートロックスサン」の2種類が挙げれます。

フェーンブロック/ファーンブロックは、シダ植物の一種か抽出されるダイオウウラボシという生薬で、全成分表示には「ダイオウウラボシ抽出エキス(PLエキス)」と記載されています。

ニュートロックスサンは、シトラスもしくはローズマリーからの抽出エキスで、全成分表示には「シトラス果汁もしくはローズマリー葉エキス末」と記載されています。

飲む日焼け止めの有効成分としてのフェーンブロック/ファーンブロックやニュートロックスサンの効果は、MEDという指標を用いて評価され、学術論文に掲載されています。MEDとは、「UV-B(紫外線B波)によって24時間後に皮膚に紅斑を生じさせるのに必要な最小紫外線量」と定義される指標です。

フェーンブロック/ファーンブロックのMED評価をSPF換算したところ、信頼性と妥当性の明確な学術論文おいて、SPF3以上のUVケア効果を示す報告は見当たりません。

ニュートロックスサンは、「常飲開始後、85日にMEDが56%の増加を示した」ことが報告されていますが、この56%という数値をSPF換算するとあまりに低い値であり、日焼け止めとしての効果は「ほぼない」ことを意味しています。

FDAからの警鐘

アメリカのFDAはサプリメントの規制をしていないため、飲む日焼け止めについてノーコメントの姿勢を貫いてきましたが、効果に対する無責任な口コミや通販購入の活況化を受け、2018年5月に警鐘を発しています。

曰く、「飲む日焼け止めの紫外線防止効果の科学的な根拠が乏しいにも関わらず、日焼けを防止する効果を宣伝し、通販購入等を含め消費者を危険にさらしている」という内容です。

なお、FDAとは「Food and Drug Administration」の略称で「アメリカ食品医薬品局」のことを指します。日本でいう厚生労働省に似た役割を持つ公的機関であり、食品、医薬品や医療機器、化粧品などの販売・流通において、許可や違反品の取り締まりといった行政を専門的に行っています。

FDAから「認証を受ける」ことは、日米両国における薬機法や食品衛生法に違反しておらず、適正な商品であることを許可してもらうということで、「警鐘を受ける」ことは・・・ご想像の通りです。

ライター:田村風威
監修:工学博士 中浜数理