毛嚢炎と潰してできたニキビ跡

はじめに

ニキビは、正式には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」といい、毛穴の慢性的な炎症が原因です。毛穴に皮脂がたまり、そこにアクネ菌(ニキビ菌)が繁殖すると、炎症を起こして赤ニキビができます。炎症がひどかったり、再発したりすると、毛穴の周りの皮膚にも影響が出て、傷跡がニキビ跡の凸凹(クレーター)になることがあります。

ニキビの主な原因は何でしょうか?

ニキビの3大原因

  • 皮脂の過剰分泌
  • 角化(乾燥肌や紫外線等の角質層が厚化すること、もしくは皮脂の分泌過剰により毛穴に皮脂が滞留すること)による毛穴の出口の目詰まり
  • アクネ菌の増殖

ニキビの種類

ニキビには、白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビなどの段階があります。

白ニキビ(初期段階)

ニキビの初期段階では、毛穴に皮脂が詰まって白く見えるため、「白ニキビ」と呼ばれています。痛みや腫れはありませんが、炎症を起こして赤いニキビになることもありますので、放置せずに早めに治療を開始することが大切です。

黒ニキビ(詰まった皮脂の酸化)

「黒ニキビ」は、白頭の毛穴にある皮脂が空気に触れることで酸化し、黒く見える状態です。黒ずみも、放置すると炎症を起こすことがありますので、早めに対処することが大切です。化粧品が原因となることもあります。

赤ニキビ(炎症ニキビ)

赤ニキビは、白ニキビや黒ニキビが炎症を起こしてできたものです。アクネ菌が過剰に繁殖し、毛穴の皮脂を餌にして炎症を起こすことが原因と考えられています。ニキビが悪化して赤ニキビになってしまうと、治るまでに時間がかかり、赤み、炎症性色素沈着、クレーターのようなニキビ跡が残りやすくなります。炎症を抑えるためには、すぐに治療を受けることが大切です。

ニキビ治療の選択肢

外用薬(塗り薬)

アクネ菌の繁殖を止め、毛穴の開きを改善するための外用薬があります。症状によっては、複数の外用薬を組み合わせて使用することもあります。かぶれ・発疹(接触性皮膚炎)が生じることがあるので、定期的に皮膚の状態を観察し、ご自身の肌に合う外用薬を使用することが大切です。皮膚科ではニキビ症状に応じ、抗生物質(アクネ菌の繁殖を防ぐ薬)も処方されます。

内服薬(飲み薬)

皮膚科では、アクネ菌の繁殖を止める目的で抗生物質が処方されます。毛穴の開きを改善するために薬が処方されます。これらの薬にアレルギーのある方は、ご来院時に医師にお申し出るようにしましょう。症状によっては、皮膚の代謝に関係するビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCのようなビタミン錠も用いられます。

ニキビを予防する方法

規則正しい生活を送る

皮脂の分泌量は、ホルモンの影響を受けます。睡眠不足などの不規則な生活をしていると、ホルモンバランスが崩れて皮脂の分泌量が増え、ニキビが悪化することがあります。なるべく規則正しい生活を送るようにしましょう。

偏った食生活を避ける

糖分や脂肪分の多い食事は、皮脂の分泌量を増やし、ニキビを悪化させます。甘いものや脂肪分の多いものをできるだけ控えるように工夫し、1日3食、バランスのとれた食事を心がけましょう。

1日2回の洗顔を泡でやさしくしっかりと

1日2回の洗顔で、毛穴に詰まった余分な皮脂や汚れを取り除きます。朝と夜に、石けんなどの洗顔料を泡立てて、その泡で肌をやさしく洗うようにします。1日に何度も洗顔したり、肌を強くこすったりするのは、ニキビを悪化させる原因になるのでやめておきましょう。

髪の毛に注意

髪の毛が肌に触れると、肌を刺激してニキビの原因になることがあります。特に、おでこにできたニキビを前髪で隠そうとすると、髪の毛が刺激となって悪化してしまいます。そのため、家にいるときは、ヘアバンドを使用して前髪を上げておくようにすると、刺激を受けにくくなります。

ニキビFAQ

Q. ニキビ肌でも化粧をしてもいいですか?

A.吹き出物があるからといって化粧をしてはいけないわけではありませんが、症状を悪化させないようなメイクアップ化粧品をする必要があります。特に、毛穴を詰まらせるメイクはニキビを悪化させるので、オイルフリーで油分を含まないメイクやニキビ専用のメイク(ノンコメドジェニック化粧品)を使うことが大切です。また、家に帰ったらすぐにメイクを落とすことも大切です。

Q. ニキビは潰すべき?

A.ニキビは潰すべきではありません。セルフケアでニキビを潰してしまうと、ニキビ周辺の皮膚に過剰なダメージを与え、赤み、炎症性色素沈着、クレーターのようなニキビ跡を残してしまうことがあります。今にも潰れそうなニキビがある場合は、自分で潰さずに医師に相談することが大切です。

Q. ニキビは月経(生理)と関係がある?

A.皮脂の分泌量は、女性ホルモンの影響を受けます。生理前の1週間は、女性ホルモンのバランスが変化し、皮脂の分泌量が増えてニキビ症状が悪化しやすくなります。

Q. どのくらいの期間、ニキビ治療を続ければいいの?

A. ニキビ治療の目的は、ニキビ跡が残らないようにすることです。そのためには、最初の白ニキビが現れたらできるだけ早く治療を開始し、悪化させないように症状をコントロールすることが重要です。赤ニキビのような炎症性のニキビは、中度症状の場合の治療期間の目安は数ヶ月です(すぐに治そう!と焦って場当たり的なニキビケアをするのは逆効果です)。

ライター:田村風威